約 2,717,216 件
https://w.atwiki.jp/acappella/pages/15.html
【登録タグ OverTONE か 曲】 原曲:スピッツ 編曲:OverTONE 唄:OverTONE コメント 名前 コメント 選択肢 投票 とても良い (0) 良い (0) 普通 (0)
https://w.atwiki.jp/wadaisenryaku/pages/486.html
スピット.IX 戦闘機 移動力 10 索敵範囲 3 燃料 50 索敵海中 1 生産資金 2000 搭載 不可 防御力 対空 70 対地 15 対艦 30 搭載武器 武器名称 対司 対空 対装 対非 対艦 対潜 射程 優先 1 2 3 4 20mm機関砲 10 100 20 50 0 0 1 16 8 4 4 4 227kg爆弾 18 0 50 80 20 0 1 1 0 2 0 0 ロケット弾 15 0 40 90 20 0 1 12 0 0 4 0 タンク - - - - - - - - 0 0 0 1 Fw190に対抗するため、Mk.V(ゲーム未登場)にマーリン60系エンジンを搭載した型。 スピットファイアI、またはシーファイアからの進化。スピット.XIVに進化出来る。 優秀な性能でFw190に優位に立ち、主力になる予定だったMk.VIIIの開発の遅れもあって 大戦後半の主力機となった。 スピットファイアシリーズ共通の足の短さを除けば優秀な性能である。 爆弾、ロケット弾も搭載出来るなど、汎用性もスピットファイアIに比べ大幅にアップしている。 その対空戦闘力と対地攻撃力で、半端な戦闘攻撃機・攻撃機を全てゴミ箱送りにできる。 イギリスタイプの航空機は、大量のこれと相当数のランカスター・ハリファクス、あと好みで 少数のモスキートだけで十分だったりする。
https://w.atwiki.jp/wadaisenryaku/pages/483.html
スピット.XIV 戦闘機 移動力 10 索敵範囲 3 燃料 50 索敵海中 1 生産資金 2400 搭載 不可 防御力 対空 72 対地 15 対艦 30 搭載武器 武器名称 対司 対空 対装 対非 対艦 対潜 射程 優先 1 2 3 4 20mm機関砲 10 100 20 50 0 0 1 18 8 4 4 4 227kg爆弾 20 0 50 80 20 0 1 1 0 2 0 0 ロケット弾 15 0 40 90 20 0 1 12 0 0 4 0 タンク - - - - - - - - 0 0 0 1 ロールスロイス・グリフォンエンジンを搭載したスピットファイアは性能こそ向上したが、 操縦が難しいと言われる等、評価が分かれやすい機体である。 無論、イギリスの勝利に大きく貢献したことは揺るぎない事実であるが。 ゲーム内におけるスピットファイアシリーズの最終形。 スピット.IX、またはシーファイアから進化。 イギリスタイプではこれが最強戦闘機(キャンペーンではミーティアは生産も進化もなぜかできない)。 スピット.IXと比較して性能アップはごくわずかなので、及第点だが物足りなさを感じる。 ドイツ等の怪物級戦闘機と戦うには、数を頼みに集中攻撃か対空兵器との連携が必要になるだろう。 戦闘攻撃機としても非常に優秀。自国最強の対空能力を持ちつつ、ロケット弾の弾数も多く使いやすい。 優秀過ぎてタイフーン・テンペスト・モスキートを食ってしまっている。
https://w.atwiki.jp/yougosq/pages/7423.html
■覇者の宝玉 世界樹の迷宮Xで登場するアクセサリ。 かつて世界隅々まで知るべく冒険を続けた者が最後の冒険で見つけたとされる宝。歩くとTPが回復する。 文字通り世界隅々まで探索しないとならないため入手時期が非常に遅い。 これを手に入れたころに漸く装備品スキルがSTARTボタンで見れることに気づいた… 渡す時期が間違っている。いや、迷宮全部踏破した後にこんなの貰いましても使い道に困る。2周目様? というか効果がスキルの労作歌と被ってるんだよなぁ…いやPT1人がファーマー固定にならないメリットはあるけど せめて某アスピックみたいな解禁時期なら日の目を見たかもしれないアクセ 「Aボタンを洗濯バサミで押しっぱにしてオートパイロットでグルグルしてる冒険者よ。これを授けよう」 廃人ボウケンシャー「ヤッター!」 ↑Aおしっぱだと通常攻撃しかしないから喜ぶ要素皆無すぎひん? 何というかアカ◯ト◯ムの素材っぽい、大剣とか作れそう 使い道あまりないと思ってたけど、一人旅と相性がいい。ソロだと経験値稼ぎ必要になりがちだけど、これつけてるとサクサク一人旅できる。少しサクサクしすぎだけど。 ↑鍛錬の珠と間違えた…。 鍛錬の珠と合わせ、2周目用だよなあコレ。自分はギルメン全員130LV引退からの2周目開始でめっさ役立てた。 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/9544.html
登録日:2012/04/05(木) 11 19 17 更新日:2024/06/08 Sat 20 14 41 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 1995年 シブヤ系うらりんご スピッツ ロキノン ロビンソン 名曲 楽曲 音楽 ロビンソンは、日本のロックバンド。 代表曲にスピッツなどが挙げられる。 追記、修正お願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- * * * + 逆です n ∧_∧ n+ (ヨ(*´∀`)E) Y Y * ロビンソンは、スピッツの11枚目のシングル。 カップリング曲は「俺のすべて」。 1995年に発売され、口コミでヒットしそのままミリオン突破。 スピッツの存在を一躍世に知らしめる曲となった。 草野マサムネによると、当初の予定ではこの曲をシングルにするつもりは無かったらしく、実際に「こんな地味で、ポップ過ぎる曲がここまで売れるとは思わなかった」と語っており、売れた理由についても、「たまたま時代のバイオリズムとリンクしたのだと思う」と控えめな分析をしている。しかし、ヒットを狙ったのでなく、好きなように気負わずに作った曲が売れたのは素直に嬉しかった様子。 【A面】 ロビンソン 収録アルバム:ハチミツ 「誰も触れない二人だけの国の国歌を作ろうと思って」 イントロは三輪テツヤが得意とするアルペジオから始まる。スピッツワールド全開のどこか物悲しいメロディーが早速心を締め付ける。 河原の道を 自転車で走る君を 追いかけた 新しい季節への喜び、期待、不安、憂い、そして切なさ…、様々な感情が歌詞から伝わってくるだろう。 一見ポジティブに見えるこの歌詞も、物悲しいメロディー、そしてマサムネの淡々とした歌い方が哀愁を誘う。 ちなみに、 × 自転車で 走る君を追いかけた ○ 自転車で走る君 を追いかけた である。 思い出のレコードと 大袈裟なエピソードを CDプレイヤーなどではなく、レコードなのがまたスピッツらしい。 そしてもう一つ、大袈裟なエピソード。ここから連想されるのは、思春期にありがちな大袈裟な自慢話…、 この然り気無い表現からも、純粋な少年性が見えてくるだろう。 .>疲れた肩に ぶら下げて このフレーズがロビンソンの世界観を創るのにまた一役買っている。 ただの肩ではなく、「疲れた」肩。 背負うのではなく、「ぶらさげる」。 ここから、少年が大人になっていくこと、そのことへの寂しさや卑屈さなんてものが見えてくると思う。 ありふれたこの魔法で 作り上げたよ そしてBメロの最後。サビへ向けてマサムネの歌声が高くなっていく。 .>ありふれたこの魔法 この表現から、ありふれた言葉さえも魔法という、スピッツ持つ純粋さ、ロマンチックさが見えてくる。 そして、 .>作り上げたよ このフレーズから、スピッツの持つ哀愁、そして狂気がよく伝わってくる。 「君の為に、作り上げた。」――ここから、この話の少年が持つ、どこか狂った感情が伝わってはこないだろうか? 誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように サビである。マサムネの泣きそうな、今にも壊れてしまいそうな繊細な歌声が心を雑巾のように締め付けてくる。 このサビがスピッツの全てを表している。 まず、誰も触れない二人だけの国 という言葉に注目してほしい。これは先程の、ありふれたこの魔法で作り上げた、ものである。しかし、誰も触れないのである。 君を閉じ込めたいという、どこか狂気じみたものが見えてくる。 そして、君の手を離さぬように、という言葉。 誰にも触れない二人だけの国 という自らの作った閉鎖的な空間に君といながら(閉じ込めながら)、それでも、君の手を離さぬように と言っている。 二人だけの国に君といるのに、まだ、「君」が離れることへの恐怖、不安がある…。 これぞスピッツの持つ脆さ、切なさ、狂気である。そしてそれらが、草野マサムネの声に恐ろしいほどにマッチしているのだ。 文字数制限の都合上、二番はカットする。 …と、散々述べてきたが、歌詞の解釈は人それぞれなので、面白半分に受け止めていただきたい。 マサムネさんも「歌詞はそれぞれで解釈して欲しい」って言っていたしね。 とにかくロビンソンは、スピッツの魅力が最大限に引き出された曲なのだ。 【B面】 俺のすべて 収録アルバム:花鳥風月 よくライブに行く人にはお馴染みのアップテンポなロックナンバー。 ライブでは、マサムネがギターの代わりにタンバリンを持つ。気分が良ければハイタッチもする。 また、途中で崎山さん(ドラム)がカウントするが、とてもかっこいい。 (この曲に限らないが、)にこにこと楽しそうに演奏しているので、とても微笑ましい。 そして、この曲では田村(ベース)の暴れっぷりがすごい。 一番大人しそうに見えて一番暴れる。 ファンでさえ初めて見る時は、多かれ少なかれ引く。 具体的には、 客を煽る ハイタッチをする ステージの端まで走る(ついでにコードが絡まる) 跳び跳ねる ドラムを叩く ベースを壊す→スタッフが新しいものを持ってくる 通称:田村ダンス ドラムを叩いて手を切ったこともあるらしい。ベース弾けなくなったらどうする気だ。 田村ダンスはライブDVDでも見ることができる。 その際、淡々と歌うボーカル、真面目に演奏する派手なギター、笑顔のドラム、暴れ回る地味なベースという不思議な光景が見られる。ぜひ見てみよう。 【PV】 終始白黒である。 スピッツのメンバーがバスに乗り、海まで行く、という内容。マサムネの持つスピーカーからロビンソンが流れている設定。 バスにはマサムネ、田村、崎山さん、テツヤの順番で乗る。 が、何故かテツヤだけはバスの前で倒れている。 背景では、ちょうど「片隅に捨てられて呼吸を止めない猫も」と歌っているので、テツヤが捨て猫という洒落なのかもしれない。 最終的に海に行き着くが、やはりマサムネの隣で倒れている。いったい彼はどうしたのだろうか…。 PVの様子はシングルのジャケットにもなった。 【余談】 当初はロビンソンというバンドがスピッツという歌を出した、と勘違いされることが多かった。志村ー!逆逆ー! ロビンソンというタイトルは、マサムネがタイに旅行した時に訪れたロビンソン百貨店からきている。 元々は仮タイトルだったがそのまま正式にタイトルになった。 つまり、歌詞とは一切関係ないのだ。それでも、歌詞とタイトルがマッチしているのがすごい。 元々A面は俺のすべての予定だったが、ロビンソンの方がスタッフの反応が良かった為、ロビンソンがA面になった。 PVのマサムネは異常に哀愁が漂っているが、これは、撮影の前日に彼女と喧嘩したからである。マサムネェ…。 スピッツ結成20周年ライブにシークレットゲストで登場したYOSHII LOVINSONこと吉井和哉が歌ったことがある。 親父ギャグとか言うな。 1995年にリリースされた曲だが、、15年後にYouTubeのスピッツ公式チャンネル「spitzclips」で公開され、2019年9月2日に1億回再生を突破した。 90年代にリリースされた楽曲としては初めてとなる。 このことからも、ファンからの根強い支持や、楽曲が幅広い世代に受け入れられてきたことがわかるだろう。 また、2021年6月現在では1億2000万回再生を超えている。 ちなみに同年、マサムネは「注目されなくなったらずっとロビンソンと楓で営業してもいいし」とインタビューに答えたりしている。 追記、修正は誰も触れない二人だけの国でお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 色々と雑学が増えた -- 名無しさん (2017-12-28 12 45 44) セロリがスマップという歌を出してたと同じ勘違いしてた -- 名無しさん (2022-09-06 09 50 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/7799.html
DG/SE17-36 カード名:永遠のアイドル カテゴリ:クライマックス 色:赤 トリガー:2 【自】 このカードが手札からクライマックス置場に置かれた時、あなたは自分の控え室の赤のカードを1枚まで選び、ストック置場に置き、自分のキャラすべてに、そのターン中、ソウルを+1。 『いつしかラハールは立派な美少女 アイドルとして開花していた』 レアリティ:C ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 ラハールちゃん 1/0 5000/1/0 赤
https://w.atwiki.jp/ymst/pages/605.html
【名前】 永遠のフィレーナ 【大きさ】 ランダムで変化している 【攻撃力】 剣装備 【防御力】 永遠のフィレーナに到達する真実は存在しない 【素早さ】 この世には永遠のフィレーナよりも速い存在は存在しない 【特殊能力】 1を0に強制的に置き換える 0になったモノは無に還られ、存在しない事になる。 【戦法】0に置き換える
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/15751.html
アスピオン(あすぴおん) 概要 ヴェスペリアに登場した帯系の武器。 リタの公式イラスト武器でもある。 登場作品 + 目次 ヴェスペリア 関連リンク関連品 ネタ ヴェスペリア エアル加工を施された帯を適当な長さに切った武器。持つ者によっては刃物にもなる リタ用の武器、帯?の一種。 物理攻撃力+660、魔法攻撃力+720でリダクション、マジカル4のスキルを持つ。 合成で作成できる。 No. 319 分類 帯? 物理攻撃力 660 物理防御力 0 魔法攻撃力 720 魔法防御力 0 敏捷 0 属性 - 買値 - 売値 32500 スキル リダクションマジカル4 装備者 リタ 入手方法 合 カバのあくび×2トレントの花×2グリーンライト×2(Lv:32500ガルド) ▲ 関連リンク 関連品 ▲ ネタ ▲
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/168.html
735 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 36 40 ID d/Dwn6Zq ※※※ 雨が似合う。 僕にとっての姉は、そういう人だ。 勿論、憂鬱な雰囲気を連想するとかではなく、落ち着いた幽玄な空気を纏っている様が雨の持つ独特な 世界観と合致するという意味で。 姉のいる和室――障子張りの窓から見える暗い空は、だから憂鬱には見えない。 静かな風景は、僕にとっては好ましく、美しく映えるのだ。そして姉は、それに近似した雰囲気を持っ ている。 「しろ姉さんは、着物を着たら似合いそうだよね」 姉のいる和室。 僕はそこに在る独特な空気を纏った姉にそんな事を云ってみる。 「ん?」 と云ってこちらを向いた肉親は、幽邃な瞳を細めて、口元をオメガみたいに歪めて見せた。 「クロは私の着物姿が見たいの?」 硯と筆を傍らに、姉は微笑む。 「似合うかな、と思っただけだよ。ここ、和室だしさ。しろ姉さん、そういうの好きだろう?」 若い女性にしては珍しく着付けも出来るのだし。 「ん・・・」 姉は瞳を閉じて、幽かに頷く。 「確かに和装は嫌いじゃない。寧ろ好ましいと思うわ。けれど、現在の洋服に比べれば合理性で劣る。 兎角、手間がかかることが問題ね。だから特別着る気は無いのだけれど――」 開眼し、瞳だけで僕を見る。 「クロがそう望むなら、これからは和装にしても良いわ。着物も何着か持っているし」 「胴衣もあるしね」 「あんなものでは外には出られない」 そう云って姉は笑った。 (袴姿、綺麗なんだけどな) 僕は肩を竦めた。 会話が途切れると、姉は作業を再開する。 大きな色紙に筆を走らせ、 『蠢 如 木 鶏』 シュントシテモッケイノゴトシ。 相変わらずの達筆でそう記す。 「達生篇?」 「聊斎志異」 「ああ――促織か」 姉は頷きながら筆を置く。 「今度は誰に頼まれたのさ?」 「同門の後輩。自宅の道場に飾るそうよ」 満足いくものが書けたのか、姉の表情は明るい。 書画の道に通ずるみっつ上の肉親は、知己やその縁故筋から一筆頼まれることが多い。今回の色紙も そのひとつだろうとは聞くまでも無く分かった。 「クロ、私はこれを届けに往ってくるけど、貴方は今日はどうするの?」 「ん~?特に予定は無いなぁ。部屋で本でも読もうかな、と」 「そう」 姉は少し考えるような仕草で頷いて、 「出来るだけ早く帰ってくるから、そうしたらお話でもしましょう?」 柔らかく微笑む。対する僕は僕は首を捻る。 「しろ姉さん」 「何?」 「同門の後輩って、女の人?」 「・・・・・・」 姉の動きが止まった。 こういう場合、大抵姉は「一緒に来る?」と僕を誘う。 それが無い時は共通する条件があるのだが・・・。 (それが何かは敢えて云うまい) 僕が黙視していると、姉は顔を左右する。 736 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 39 11 ID d/Dwn6Zq 「・・・違うのよ。あの娘は武芸一本やりで男嫌いなところがあるから、クロを連れ往っても仕方ない と判断しただけ。他意はない」 何がどう違うのかはわからないが、姉に同行を求める意思が無いなら突付いても仕方ない。 彼女の通っていた道場は基本的に男子禁制の場所だったから、聞くまでも無く対象は女性だろうと思っ ていたけど。 筋道立てて僕を連れて行かない理由を話す肉親の姿は、なんだか悪戯を見つかった子供の云い訳みたい に感じらて、微笑ましかった。 と、ポケットに入れていたケータイが鳴った。 「ごめん姉さん、ちょっと外すね」 和室を出て、自分の部屋へ。 歩きながら画面を見ると―― 「絵里ちゃん?」 五代絵里。 意外な人物の名があった。 この間の五代邸来訪の際にアドレスの交換はしたのだけれど、連絡は一度も取っていなかった相手だ。 何にせよかかって来た事は事実。僕はケータイを耳に当てる。 「もしもし」 「あ・・・五代、です。くろさん、ですよね?」 電波越しの甘い声。 それは紛うことなく五代絵里のそれであった。 「うん。そうだよ。絵里ちゃんだよね」 「はい。絵里です。突然お電話しちゃいましたけど、今、大丈夫でしたか?」 「うん。大丈夫だよ。暇を持て余していたところ」 「良かった・・・」 ホッとしたような声。 如才無いと云うのではなく、本当にこちらに気を砕いているのだろう。そう感じられる声と気配。 「急に電話をしたので、迷惑になってないか不安だったんですが・・・」 「いやいや。電話くらいで迷惑とか思わないから気にしなくて良いよ。それで、どうしたの?」 「はい。え、と・・・」 沈黙。 それは多分、逡巡。 何か云い難い事なのだろうか。 「この間の・・・くろさんの・・・・絵のことです」 「絵?僕の描いた?」 「はい」 返事の声は強い。 「――この間、私が何回も見たいって云ってしまったたじゃないですか。あの時はしろさんも褒めるく らいの絵ですし、どうしても見たかったんですが、今になって思うと随分失礼なことを云ってしまった と。それでお詫びの電話をしようと思ったんです」 「ああ・・・」 僕は頭を掻いた。 「そのことは別に良いよ。と、云うか、描いたんだよね、一枚」 「え・・・っ」 驚いたような、それでいてどこか高揚感を感じさせる気配が届く。 「こないだ云ったように、僕の絵は大したことは無い。それを判って貰うには実物を見てもらうのが一 番良いかなと思ってね」 百聞は一見に如かず。 そう考えて描いてみたものの、五代邸を訪れる理由も無く部屋の隅に放置されていたのだが。 「あ・・・あのぅ・・・」 「ん?」 「やっぱり見たいって云ったら、クロさんは怒りますか・・・・?」 その言葉を聞いて、僕は噴出してしまった。 「素直だね、絵里ちゃんは」 「あぅ。ごめんなさい」 「いや、いいよ。あんなものいつまでも部屋にあっても邪魔なだけだし。絵里ちゃんが見たいなら好き なだけ見ると良いよ」 用が済んだらさっさと処分できるのだ。 「絵里ちゃんのトコって日曜も部活あるの?あいてる日があればその日にでも見せるけど?」 「あ、あのっ、それじゃあ、今日とかはダメですか?」 737 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 41 45 ID d/Dwn6Zq 「今日?」 僕は外を見る。雨は相変わらず降っている。 「僕は平気だけど」 「それなら、私が伺います。それで大丈夫ですか?」 「ん~。いや。僕がそっちに往くよ」 「でも、外は雨です。元元無茶を云ったのは私の方ですし、御足労願うわけにも・・・」 「良いんだよ」 僕は外を見たまま目を細める。 「雨の日に外を歩くの、好きなんだ」 これは気遣いとかじゃなく、本当のこと。 「だから絵里ちゃんの都合の良い時間にそっちに往くよ。いつなら大丈夫?」 「くろさん・・・有難う御座います」 私はいつでも大丈夫です。 絵里ちゃんは嬉しそうにそう云った。 多分、受話器の向こう側には笑顔があるのだろう。そこまで歓迎されるのは嬉しいのだが、これが暫く 後には失望に変わると思うと少し気が重い。けれどずっと期待されるよりはマシだろう。 じゃあ今から往くね。 そう云おうとした瞬間。 「――え?」 僕の掌から、ケータイが消えていた。 「では、これから伺わせて貰うわね」 「ね、姉さん!?」 いつの間にそこにいたのか。 僕のケータイを耳に当てた姉が、絵里ちゃんにそう返していた。 「しろさん、いらっしゃったんですか?」 絵里ちゃんも突然返事をよこした人物に驚いている。 「ええ勿論。私はいつでもクロの傍にいる。――じゃあ、すぐに往くから」 姉はそう云って通話を終了させた。 「しろ姉さん」 僕が口を開きかけると、姉はそれを無視してどこかへ電話をかける。 慣れた手つきだ。知人の類だろうか。 「生駒(いこま)。私だ。突然で悪いけど、今日はそちらにいけなくなった。・・・ええ。ええ。 そう。緊急の用事。絶対に外せない懸案だ。ええ。色紙自体は書き上がっているから、近日中に 渡せると思う。ええ。それじゃあ」 ピッ。という、電源を切る音。 状況が飲み込めずに見ていると、姉はこちらを向いて、 「どういうことか説明してくれるかしら」 なんて云って微笑んだ。 いや、それは僕の科白だろうに。 「ふぅん」 説明を受けた姉はそっぽを向いたまま、そんなふうに呟いた。 憮然とした顔をしている。何か気に触ったのだろうか? 「しろ姉さん、何でそんなに機嫌悪いのさ?」 「別に悪くない」 けんもほろろだ。 元来、鳴尾しろと云う女性は感情の抑制が上手く、その行動形式は合理的で無駄が無い。形而上、形而 下問わず、巧みな取捨選択と遮断能力が具備されており、表情の変化も社交辞令を除けば、ほぼ無い人 物だ。だからこんなふうに“拗ねる”事は珍しいのだが―― 「クロが私以外のために絵を描くなんて・・・」 などとぶつぶつ云っている。 何で絵を描くと不機嫌になるのか理解できないが、触れないほうがいい気もする。藪を突付いて蛇を出 す趣味は僕には無い。 雨降る道を傘さして歩く。 使用される雨具は一つだけ。 僕と姉は同じ傘を使い、それ故だろう、姉は僕の身体にぴったりとくっついて離れない。 濡れては困るものを運搬しているのだから傘は2つあったほうが良いに決まっているが、 「傘を2つも出す必要は無いでしょう。1つで充分」 なんて云い切られてしまえば、惰弱な弟としては抗う術も無い。 738 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 44 20 ID d/Dwn6Zq (これって、相合傘になるんだよなぁ・・・) ツンと澄ました顔をする実姉の横顔を見ながら心で呟いた。 姉の腕は僕の片腕にしっかりと巻きついて、離れる気配も無く、照れている様子も無い。 (姉弟なんだから当たり前か) 意識する僕のほうがどうかしているのだろう。 姉の態度も雰囲気も、“これが当然”と云わんばかりのもので、自然体である。 姉は凛とした美人だ。 当然人目を惹く。 それはこの場合、僕に衆目が集まることと同義であって・・・。 「・・・しろ姉さん」 「・・・何」 今だ機嫌は悪そうだ。 「その・・・手、離さない?」 それでも怯まず提案してみると。 ぎゅっと。 姉は殊更力を込めた。 何も云わない。 こちらも向かない。 気配と態度のみでの拒絶だった。 もう一度問うてみた所で、返ってくるのは峻拒だけだろう。 姉はこうと決めたら我を曲げない。 そして僕には捻じ曲げる力も術もないのだ。 (我慢するしかないのかなぁ) 吐息をひとつ。 尤も姉にこうされているのは別段嫌ではない。余人の視線が嫌いなだけだ。 (だけど声を掛けられるわけでもないし) 耐えられなくは無い。 僕は自分にそう云い聞かせた。 ※※※ 僕の住む街は海と山に挟まれた一応の大都市である。 地形的には坂が多く、台地や丘も多い。 海沿いには、大きな公園があって、カップルなんかの定番のデートスポットになっている。 山のほうに目を転じれば、そこには大きな神宮がある。 神破(みわ)神宮と云うのが一般的な名称で、『陰影』を神様として祀っている。 一応は無格社だけど、その権勢はかなり大きいのだと聞いたことがある。 神宮そのものは山4つに及ぶ巨大な敷地を持っていて、宮内は内宮(ないくう)、外宮(けくう)に別 れており、更にその中には上社と下社があるらしい。 内宮に務めるものは神破の血縁の人間に限り、外部からきた人間は外宮に務める。 その外宮には大きな道場があって、武技や作法を教えてくれる。内宮にも類似した施設はあるみたいだ けど、そちらで学べるのは神破の縁故だけだと云う話。 姉はその外宮の道場、神迎(しんけい)流・練舞館(れんむかん)の所属で、奥許しを受けている。 その為だろう、嘗ては外宮の禰宜さんから、神人にならないかと勧められたらしい。 けれど、歴史研究の夢のためにそれを断った。 その神破山を囲むように、街には大小の丘があって、そちらには教会その他の宗教施設がある。 海に近い丘の上には大きな管風琴のある教会があるし、他の丘には私設の大きな図書館があったり、寺 院や魔女のお屋敷や、古い塔なんかもある。 塔は街中にも一つあるけど、こちらは繁華街の一部で、タワーと表記したほうが正しいだろうか。街の 名を冠するそのタワーは展望台兼デパート兼ホテルになっていて、特に頂上近くの上層階にあるレスト ランは、料理も眺めも良質である。 街の中にもある程度の区切りがあって、特に雪見台(ゆきみだい)と呼ばれる地域はお金持ちや名族な んかが多く住んでいる。 雪見の中にも序列その他があるみたいだけど、「外」に住んでいる僕には関係のない話。 五代絵里の住む家屋は、その雪見の中にあった。 相対的に見て、そこそこの大きさの門の前へやって来る。 739 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 46 39 ID d/Dwn6Zq 姉とは相変わらずの相合傘。 勿論、手もしっかりと繋がれている。 そろそろ五代邸に着くのだし、離した方が良い。 道中、そう提案したけれど、返ってきたのは矢張り無言の拒絶だけであった。 「クロ」 呼び鈴に手を伸ばしかけた僕を姉が呼び止める。 その顔は正面を向いており、僕を見てはいない。 「この間も云ったけれど、女の子の名を気安く呼んでは駄目よ?たとえ相手が年下であったとしても、 自らが望んだとしても、名前で呼ぶなんて絶対に駄目」 凛とした、真剣な瞳だ。 雨の良く似合う自慢の肉親は、心底僕にそう戒めているのだとわかった。 「絵・・・、じゃなくて、五代さんがそう望んでも?」 「ええ、勿論」 「・・・・」 姉の云うことは古風だけど正論なのだろう。 けれど、と僕は思う。 ケースバイケース。 人それぞれのような気がする。 五代絵里とはそれほど話していないけれど、彼女は名前で呼んであげるほうが打ち解けてくれるタイプ のように感じられた。 姉にそれを説明して、果たして納得してくれるだろうか? 「それでも礼儀を守るほうが大切」 そんな風に首を左右する気がする。 (打ち解けることなんて、しろ姉さんにとっては、二の次・三の次なんだろうしなあ・・・) 堅さと、そして美しさが直結した人なのだから。 それが、鳴尾しろと云う世界。 鳴尾しろと呼ばれる風景。 雨霞の中に溶け込んで、それでも尚、存在感を放つ巌のような在り方。 畢竟するに、自然体。 僕とは違う。 (そう――違うんだ) 僕は僕らしくあれば良し。 (あとで怒られそうな気がするけどね) 苦笑をしながら、呼び鈴に手を伸ばす。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 小さい頃。 私は、絵が嫌いだった。 画家を目指した父は、夢破れて後、それでも絵画に拘泥を続けた。 絵。 絵。 絵。 絵。 来る日も。 来る日も。 来る日も。 来る日も。 時に自ら筆を取り。 時に夢成した人の賞翫をし。 喜び、落ち込み、心惑わされて。 家よりも。 友よりも。 なによりも絵に魅入られ。 自らの娘に、見知らぬ人物の見知らぬ作品を語り続ける。 そんな環境が嫌だったのか。 それともそんな父をみるのが嫌だったのか。 どちらかなんて、今もわかっていないけれど。 740 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 49 17 ID d/Dwn6Zq 多分、五代絵里と云う人格は、絵と、それに付随する世界を憎んでいたのだろう。 “その日”も、絵に囲まれた退屈な一日だった。 父の勤務する芸大の展覧会。 そこの学生や教員、そしてその縁故のプロやアマの、文字通り玉石混交の宴。 無感動な私はその中にいた。 ある人がある絵を褒め。 ある人がある絵を批評する。 感嘆する者。 付き合いで居るだけの者。 暇つぶしに来た者。 自分の絵の評価を遠巻きに気にしている者。 様様な人。 様様な顔。 そして、絵。 その空間も、私にとっては退屈でしかなかった。 来客・知人の挨拶に追われる父から離れ、一人で鑑賞して廻る。 否。 その時の私は、多くの絵や人人を視界に入れながら、唯会場を歩いていただけだった。 他人ばかりの街並みを独りで歩く時のように。 背景を気にすることも無く。 風景を目にすることも無い。 右から左。 後ろから前へと。 画廊は唯の通り道でしかなく。 私はそこに居るだけでしかない。 だから、“そこ”で足を止めたのも、偶然か気まぐれに属するものだったのだと思う。 『不滅のクロ』 それが、その絵の題名だった。 「なに、これ・・・・」 黒。 一面の黒。 大きな額の中には、真っ黒な何かがあった。 白が無い。 いや、一部はある。 だけど、それは明らかなマイノリティ。 真っ黒な四角のなかに、無数の白線が抱かれるように、軋むようにあるだけだった。 普通、白い世界に赤や青や黄色があって、風景を。人を形作ると云うのに。 四角い世界は黒く塗りつぶされ、残った白が“線”となる。 (これ・・・逆だ) 『白』に色を塗るのではなく。 『白』を残すことで世界を表現しているんだ。 「・・・・」 私は見入っていた。 唯、逆転させるだけ。 それならば特に目を引かなかっただろう。 私の“無関心”に飲み込まれ、虚無の中に消えるだけ。 けれど。 けれどこの絵には、人を惹きつける魅力があった。 華―― そう呼ぶには少し違和感があるけれど。 不思議な何かが絵の向こう側にあるのだ。 それは私だけではないようだ。 漆黒の周囲には、街灯に集る羽虫のように、多くの人が立ち止まる。 741 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 52 06 ID d/Dwn6Zq それで気づいた。 (この絵、良い出来なんだ・・・) 往き交う人人なんて気にしてなかったけど。 視界を広げれば、黒い世界に目を向けている者のなんと多いことか。 大多数の支持がイコールで良作ではない。 けれど、良いものは多くの人に響く。 それもまた、事実。 黒の前にいる人人は、皆感嘆の相好を浮かべていた。 だから。 だから、唯独り。感心でも関心でもない表情で『不滅のクロ』を見つめるその少女は異質だったのだろ う。 凛然とした――姿そのものが荘厳な風景画の様な女性。 知性と、意志の強さを感じさせる瞳。 静かで、でも力強い空気を纏った、随分と大人びた少女。 「――――」 私は、そちらにも見蕩れた。 容姿ではなく。 “在り方”として美しい。 唯、そこに在る。 それだけで魅力を感じさせる女性だったから。 「あの・・・」 どうしてだろう。 私はその女性に声を掛けていた。 「何か?」 女性は優美に私を見つめる。 「この絵、どうですか?」 私が描いたわけでもないのに。そんなことを尋ねていた。 「ん・・・」 女性は微笑すると、『不滅のクロ』に目を遣った。 「まあまあ、かな。モチーフが良かったからかもしれないけれど」 「モチーフ?」 「ええ。題材。気持ちを乗せるなら、それが一番大切」 女性はこちらを向かない。微笑したまま、黒い絵画を見つめている。 「・・・これって、カップルですよね?」 黒の中の白は、一組の男女のように。 「カップル?そう。そう見えるの」 くすくすと女性は笑う。 嬉しそうにも見え、滑稽さを嘲笑うかのようにも見える。心底の読めない笑みだ。 私は頷きながら話題を変える。唐突にすぎるかな、と自分でも思うけど。 「これって、なんで2色なんでしょうか?」 この絵画には、白か黒しか無い。 意匠としてそうである、と云われてしまえばそれだけなのだろうけど、この絵には何か、それ以上の意 図を感じる。 「陰陽、光陰は総ての基礎。別に不思議は無いわ」 「でも」 私は首を傾げる。 「多くの色って、必要じゃありませんか?表現の都合上」 「そう云う場合もあるというだけの話。“この世界”はね、これで充分。――しろに必要なのはクロ だけで。クロに必要なのは、しろのみ。それで良い」 他はいらない。女性はそう結んだ。 「2色なのに、世界を表現できるんですね」 「2色だから、世界を表現できる」 女性は首を振る。 「では作者は、2色で世界を表せたってことでしょうか?」 「或は、描き手の心象には、2色しかないのかもしれない」 不思議な表情で女性は瞳を伏せた。 刹那。 「至路」 連れがいたのだろうか。 一間程離れた距離から誰かが女性を呼ぶ。 742 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 54 37 ID d/Dwn6Zq (しろっていう名前なのか) 女性は自らの名前を呼んだであろう人物に歩み寄った。 「ああ、朝歌先輩。どうでした?ここは」 「抽象的な概念は、私には向かない」 「そうでしょうね。この絵はどうです?」 「Rorschach test」 「まあ、間違いではありません」 女性はそう云って笑ってから、先輩と呼んだ人物を巡回路の向こうへ促した。 「じゃあ、私は往くわね」 そして、こちらに振り返る。 「貴女には、この絵はどう見えるのかしらね」 「・・・・私には、女性が男性を抱きしめているように見えます」 「抱きしめる、か。なるほどね」 しろと呼ばれた女性は僅かに頷いたようだった。 「貴女の数だけ、答えはあるのだと思う。作者が何を描いたとしてもね」 女性は手を振って、その場から歩き去った。 「・・・・」 私は『不滅のクロ』を見つめる。 漆黒に蝕まれ、捩れた白い線の集合のみで描き込まれた抽象画。 そこには多分、理解を超えた魅力が具備されているのだろう。 (もしかしたら) 「絵って、凄いものなのかも」 初めてそう思えた。 詩と絵画は自らが心を向けなければ響いてこないもの。 父はそう云った事がある。 私はその時、その意味がわかったのだと思う。 「他の絵も、見る気になれば見えてくるものなのかな?」 そう思うと、無味無感想な背景でしかなかった展示物が途端に色付いて見えた。 目に入るものはこんなに華やかだったのか。 あの絵も。 その絵も。 まるで違うもののように見える。 (凄い・・・。絵って凄い・・・!) その時、私は素直に感動したのだと思う。 そのきっかけをくれた女性はもう見えない。 だから、津梁となった黒の絵画を見上げる。 「・・・・・」 綺麗な絵。 そう思っていたけれど。 周囲から抜きん出ているその漆黒は、魅力だけではない、『妖気』のようなものを纏っている様に見え た。 女性が男性を抱きしめている。 私はさっきそう云ったけど。 改めてみた暗黒の世界は。 女性が男性の首を絞めているようにも見えたのだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 目の前には、小動物を連想させる小柄な少女。 真横には、物心つく前から共に在る実姉。 ここは五代邸の応接室。 以前にも来た、あの場所だ。 違いと云えば五代先生の姿が無く、代わりに姉が居ることと他人の絵ではなく、自分の絵を持って来た ことだろうか。 甘い声と愛くるしい容姿を持った年下の少女は爛爛とした瞳を僕と僕の荷物に向けている。 対して真横の姉は醒めた瞳でどこかを見ていた。それなのに、身体は押競饅頭みたいにぴったりと僕に くっついて、ぐいぐいと押して来ている。 (今回もこうか) なんて僕は思う。 743 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12 57 24 ID d/Dwn6Zq 姉はこういった席で数人がけの椅子やソファに座ると、意識的か無意識的か、こうやってくっついて来 ることが多い。動きに対して表情は凛としたそれなので、妙にアンバランスだ。 絵里ちゃんは目の前の姉弟を不審に思わないのだろうか。 一つの傘で手を繋いで遣って来て、ピッタリとくっついて座る―― 僕が第三者であれば「ドン引き」しているであろう光景なのに、何も云わない。 それどころかその片割れにして主原因の鳴尾しろと款談している。 「私、ずっと兄弟に憧れてたんです。だから、しろさんとくろさんが凄く羨ましくて」 私の兄弟の理想像なんです。 真っ直ぐな瞳でニコリと笑う。 外連の無い純白な笑顔。 思ったことを素直に外に出せることが、五代絵里と云う少女の魅力であり、本質。 瞬時に推考を練り、フィルタを掛けて言葉を外に出す姉や、内に籠もったまま周囲に流される僕とはま ったくタイプの違う人間だ。 五代絵里の言葉に、鳴尾しろは「ええ」、「そう」、「ありがとう」、と、優美な笑顔で応じている。 それは、社交辞令に作り笑いで返すのと似た感覚。 けれども普段の姉は、心の底から褒められようとも「貴方の評価に興味は無い」とバッサリ斬り捨てる 人なので、これでも気を使っている方だと云える。 次いで、対面に坐す少女の“純粋”は、姉の外観にも到達する。 「しろさんって、とてもお綺麗です」 憧憬でも阿諛でもない。 先程の瞳と同じ。 唯、そこにあるものを認める言葉。 それを鳴尾クロの実姉にぶつける。 対する姉は矢張り変わらず。 心動かされる事も無く、 「光栄ね」 と、薄く笑った。 「くろさんはどうですか?しろさんのことを、お綺麗だと思いませんか?」 「ん?」 諦観していた僕は急に水を向けられて、少し驚く。 「うん。しろ姉さんは綺麗だよ」 特に考えることも無い。思ったことを口にした。 したら―― 「な、ななな、な・・・急に何を云うの・・・っ。綺麗なんて身内に云われても、す、少し、も・・・ 嬉しくないんだからね・・・・!!」 茹蛸が隣に発生していた。 「急にも何も、普通の会話の流れだったじゃないか」 「ち、違う。そうじゃなくて、そうだけど、夜討ち朝駆けには、慣れているけど、急には対処出来ない っていうか、とにかく違うのよ」 支離滅裂だ。姉はどうしたのだろう? 「しろ姉さん、どうしたのさ?」 間近にある肉親の顔を覗きこむ。 すると。 「な、何でそんな近くに顔を寄せているのよ・・・~~~~~」 異なことを云う。 くっついて座ったのはそちらではないのか? 「わ、わかったわ。御小遣いが欲しいのね。はじめからそう云えば良いのに」 赤い顔でプイとそっぽを向く。 唐突すぎてついていけない。 「小遣いの無心なんてしてないんだけど」 僕の顔には?マークしか浮かばない。 首を捻りながら対面に顔を戻すと、五代絵里がくすくすと笑っていた。 「しろさんとくろさんって、本当に仲が良いんですね。素敵です」 「いや、確かに仲は良いけどさ・・・」 この状況は何なんだ? 再びの傾首。 「平静、平常心、平城京・・・」 あちらを向いたままの姉はぶつぶつと何かよくわからないことを呟いている。 「ん~と、しろ姉さんが壊れたみたいなんで、僕の用件・・・って云うか、本題を済ませておくね」 744 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 13 00 47 ID d/Dwn6Zq はい、と包みを渡す。 その中には勿論、鳴尾クロと云う人間の『弱さ』が仕舞われている。 「は、拝見します・・・・!」 包みを受け取った絵里ちゃんは、ワクワクを隠せない様子で微笑んだ。 この笑顔が今から引きつった作り笑いに変わるのか。 そう思うと少し辛い。 包みを解く五代絵里の動きがスローに見える。 こういった時間は刹那であっても長く感じるものだ。 書き殴りの水彩画は、すぐに他家の空気に晒される。 絵の閲覧を望んだ美術部員は、愛くるしい笑顔を消していた。 無。 そこに表情は無く。 目の前の四角い弱さに心が移ろう。 「・・・・・・」 彼女は無言。 「・・・・・・」 僕も沈黙。 「和同開珎、万年通宝、筑波万博・・・」 一人だけぶつぶつ。 五代絵里は動かなかった。 カチカチと時計の針の進む音と、誰かの呟きだけが時の流れを教えていたけれど、小動物のような少女 は、置物のように――否、目の前の弱さに魂を吸い取られたかのように、微動だにしなかった。 (褒め言葉でも捜しているのかな・・・・?) どうかな、なんて聞く気は僕には無い。 あまり良い出来でなかったことは描いた本人が良くわかっている。 だから、唯静かに。 目の前の少女の言葉を待った。 「・・・・っ・・・・っ・・・・・」 変化があったのは少女の手。 少しずつ、だけど確実に、彼女の手は震えていた。 「・・・絵里ちゃん?」 たまらず声を掛ける。 「――え?」 泣いていた。 表情が変わらぬまま、少女はポロポロと大きな涙を流していたのだ。 「な、何で泣くのさ!?」 「ぅ・・・・っぐ・・・」 驚く僕と、首を振る少女。 「違、うんです。この絵・・・見ていたら、・・・感動して・・・」 「え?その絵で?」 「は、はい・・・」 五代絵里は涙を拭う。 「綺麗な景色を見ていると、心が震えて、涙がでるでしょう?・・・・それと、同じなんです。この絵 が、凄く綺麗で・・・それで・・・それで・・・」 「・・・・」 綺麗? 僕の絵が綺麗? そんなこともあるものか。 蓼食う虫も好き好きだろうが、また首を捻る。 「幻想的で、凄く深くて、私、上手く言葉に出来ないですけど、唯、涙ばかりが溢れてきて・・・」 「・・・・」 飾らないことが彼女の本質。 ならば、少なくとも気に入って貰えたということだろうか。 「え~と、取り敢えず御気に召したみたいで良かったよ」 僕はホッと一息を吐き、苦笑い。 「取り敢えずなんてとんでもない!凄く、気に入りました・・・・!」 感受性が豊かな娘なのだろう。これくらいでも喜んでくれるのか。 「あ、あの・・・くろさんっ・・・!」 絵里ちゃんは身を乗り出す。 「こ、この絵、どうかされる予定はありますか・・・?」 745 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 13 03 02 ID d/Dwn6Zq 「ん?どうかって、何?」 「その、誰かに差し上げるとか、手放したくないとか、そう云う、の、です・・・!」 今だ涙ぐんでいるのか。喋り方がぎこちない。 僕は頭を掻く。 予定なんてあろうはずもない。 見せるだけ見せたら、さっさと処分するつもりだったのだから。 「もし、もしも、予定が無いのでしたら、この絵を、わ、私に――」 「ごめんなさいね」 凛。 そう評すべき声が響く。 「悪いのだけれど、その絵は私が貰うことになっているの」 振り向いた先には、いつも通りの姉が在った。 先程の茹蛸ではない。 玲瓏な巌のような姿の実姉がそこに居た。 「しろ、さん」 姉は雅に微笑んで、五代絵里の掌中から絵を取り上げる。 「しろ姉さん、一体どう云う――」 つもりなのか。 云いかけて僕の動きは止まる。 唯微笑んでいるだけ。 それだけなのに、姉からは云い知れぬ何かが滲んで見えた。 異論は許さない。 そんな気配に僕は支配されて、沈黙した。 「本当にごめんなさいね。クロは――クロの絵は私のものなの。貴女には、渡せない」 「・・・・あ」 五代絵里は引きつった笑顔をつくる。 それは、僕が予想したそれではなくて、大切な玩具を取り上げられた子供が気丈に我慢するかのような 表情だった。 「そ、そうだったんですか。すみません、厚かましい事を云ってしまって・・・」 身を乗り出していた五代絵里は力なく腰を下ろす。 (なんだか可哀想だな・・・・) 弱った小動物みたいに、凄く儚く、小さく見える。 (このままじゃ可哀想だしな) 僕は少女に目をやった。 「あのさ、絵里ちゃん」 もう一度くらいなら。 「今度は君のために、一枚描こうと思うんだけど」 746 :永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 13 05 47 ID d/Dwn6Zq ※※※ 「うわ、寒いな・・・」 肩を丸め、両手に息を吐きかける。 街の夜はかなり冷え込んでいる。 僕が居るのは『困り果てる両面宿儺』像の前。時刻は6時を少し廻ったあたり。 駅ビルとバスターミナルの間にあるこの像は、多くの人の待ち合わせに使われている。 ここに居るということは、僕も他の人人と同じ。 待ち人がある。 と、云っても、呼ばれたのは僕だ。 姉は門限に厳しい。 だから普段はこんな時間に外には出ないのだが。 数時間前の五代邸。 あれ以来、姉はずっと機嫌が悪くて、一言も口をきいてくれない。 何が逆鱗に触れたのかはわからないけど、酷く不機嫌だった。 (絵里ちゃん、って、名前で呼んだことを怒っているのかな?) それとも他に何かあるのか。僕にはわからなかった。 姉はいつも的確だ。 だから僕に非がある可能性が高い。 けれどよくわかっていないことで頭を下げるのは失礼だろう。 だからそれを考える時間が欲しかった。 知己から外食の誘いがあったのは、ちょうどそんな時。 それでここにいる。 「少し早かったかな」 待ち合わせは6時半。まだ20分はある。普段なら待つことは苦にしないけれど、こう寒いと少し堪え る。 (コーヒーでも買ってこようかな) そう思った瞬間。 ふわりと。 暖かくて柔らかい何かが僕に纏わりついた。 「早いですね、クロくん」 綺麗な声。 それは、待ち人のもの。 「あ、甘粕(あまかす)先輩」 「他人行儀名呼び方は駄目ですよ?」 そんなふうに云いながら、優しい笑顔の美人が僕に抱きついていた。 甘粕櫻子(あまかす さくらこ)。 姉と同じ大学に通う人物で、古い知り合い。 特徴は表情で、いつもにこやかに笑っているので、その瞳を見たことが無い事。 怒るときも困るときも、ニコ目のままである。 彼女は美人で名高い甘粕6人姉妹の4女で、残りの姉妹5人もその瞳は見えない。 半数がニコ目で、残り半分が眠ったかのように閉じた目をしているためだ。 母性本能豊かな人で、スタイルも良い。知人曰く、「無駄にいやらしい体つき」。それを裏付けるかの ように、見た目も感触も“むちむち”している。 そして。 そして、かつて僕に告白した相手だ。 告白と云っても、男女の間のそれではない。 あの日あの時、この人はこう云ったのだ。 「――私の弟になってくれませんか?」と。
https://w.atwiki.jp/dogwiki/pages/25.html
系統的にはスピッツ系に属する犬で、アラスカのセワードペニンシュラ地方を主産地とする。 この犬種の祖先はシベリア原産と考えられているが確証は無く、マラミュート族(マールマット・イヌイット)によってそり引き、狩猟、漁業用に長期間にわたって飼育されて来た。 アメリカ大陸への白人上陸までは拡散を免れたため、高度に純粋性が保たれた古いタイプの犬種である。 北極地方や北極民族の起源については諸説あるが、仮りに氷河期にはシベリア、アラスカ、グリーンランドが陸続きであったとするならば、さらに同一の民族が犬を連れて大陸を移動していたとするならば、シベリアのサモエドやハスキー、グリーンランドのエスキモー犬とアラスカン・マラミュートが同系統の犬である事の説明はできる。 アラスカの北部にロシア人が漂着(アラスカの発見)した時、すでに原住民が住んでおり、ロシア人達は母国に戻り「犬ぞりと原住民」の様子を詳細に報告している。 アラスカがアメリカの領土となった時、アラスカに入ったアメリカ人探検家も「数百マイルもそりを引く、疲れを知らぬ犬」について驚きをもって記述している。 「犬の力を借りる事なくこの地域を旅行する事は不可能」とも述べ、アラスカン・マラミュートの能力を賞賛している。 スピッツタイプの犬は立ち耳、巻き尾、密生する厚い被毛が特徴で極寒の地に適応できる北方犬種特有の体形となっている。 二重構造の被毛の上毛は3~5cmの粗毛で開立しているが、柔らかい下毛は油性を帯び、水分をはじく羊毛状で、皮膚に沿って密生して体温の放散を防いでいる。 ふさふさした巻き尾は氷上で眠る時に顔を覆い、寒さから身を守るために役立つと言う。 犬ぞりは原住民にとって輸送・移動手段として欠く事のできないものであった。 現在でも極地の探検や冒険にアラスカン・マラミュートは欠かせない犬種である。 アラスカでは犬ぞりレースが定期的に開催されており、アラスカン・マラミュートはその代表犬種で多くのレースの記録保持者でもあり、理想的なそり犬としての評価が健在である。 骨格、特に四肢は強靱で筋肉に富み、持久力が強く、耐寒性に優れ極地帯での活動に向いており、長距離のそり引きを可能にしている。 さて、アラスカ地方に白人が入植し始めると、賞金を賭けた犬ぞりレースが盛んとなり、より速い犬の作出をめざしてアラスカン・マラミュートに他の犬種の血を入れる事が流行した。 当然ながら、純粋なアラスカン・マラミュートの血統が衰退に向かった。 幸いにも1926年アメリカ国内で北方犬研究の気運が高まり、アラスカン・マラミュートの純血を維持する活動が始まった。 アラスカン・マラミュートは外観や目の表情がオオカミに似ているが、性格はおだやかで、人に対する親和性に優れ、献身的で忠実な伴侶となるため近年は家庭犬としても人気が高い。 密生した被毛が体熱の放射を妨げるため、温暖地での飼育では熱射病対策が必要である。